メリー・ポピンズ:リターンズ 良い点のみ
メリー・ポピンズ:リターンズを見てきた
(今回は良い点と悪い点で記事を分けます)
企画が浮上したというニュースもあれは確か4年ほど前だったか
当時は「あーあぁ…見るかよ、んなもん」とは思いつつ、
ただ今作を語る前に、なぜメリー・
まずはもちろんウォルト・ディズニーのイメージ、そしてP.L.
これらが(主に原作者と)反発して、混ざり合ったものが64年のメ
原作者との反発は「Save The Mr.Banks」を見れば、メリー・ポピンズがなぜナルシストで冷たく傲慢な性格あるか、そしてどういう話だったのかというのがより深く分かるのでぜひ見て頂きたい
前置きを終えたところで、今回のリターンズについて思い出すまま
まずOPのシンデレラ城の手前の川がイギリスの石畳みになっているのがニヤッとさせられてしまう
そしてバートと思わしき(本当に紛らわしい)キャラクターが街灯を消してまわり朝の準備をしながら、はい今作で耳に残る一曲目
「Lovely London Sky」
これを歌う前作のバート的役回りである新キャラクター、ジャック
(設定ではバートの弟子なんのだよらしい)
これを演じるのがなんとリン=マニュエル・ミランダ
リン=マニュエル・ミランダ!
ハミルトンでアメリカではド級のヒット打ち、モアナの曲や、フォースの覚醒でさえ歌っている、そんな超がつく売れっ子
事前情報なしで見に行ったこともあり酷く驚きつつ、セリフに出てくるまでバートなのか別人なのかとずっともやもやしっぱなし
なぜバート役ではダメだったのか...これは後述するヒットの法則が一つ起因なのではと邪推していますがどうでしょうか
そしてまず第一の見どころとしてやはりメリー・ポピンズの帰還シーン
雲をえぐる様に晴らして現れるあのシルエットはやはりちょっとホラー的な要素を意図的に演出しているんじゃないかと思うような...
それともこの有名なネタ動画の印象が強すぎるのでしょうか
個人的にはリターンズの予告でバスタブへ入るエミリー・ブラントの顔がどういうわけか生理的に本当に苦手だったんですが
(コレ)
ジュリー・アンドリュースの温和な空気から一変して
原作者のトラヴァース感マシマシの気の強そうな鋭い顔、現代のなりたい女性像の提示にもなっていて、本編を見ればかなり好印象!
正直エミリー・ブラントの中で一番のはまり役だと思いますね
その後、母の形見ともいえる瓶を欠けさせてしまい~のくだり
ここで耳に残る名曲その2
「“The Royal Doulton Music Hall"」
やはりアニメと実写の同居は見ていて楽しい。がやはり初代のあのワクワクして一緒に踊って歌っているような気持ちよさはなく
やはりロブ・マーシャル的な演出でアニメと実写とを融合させている
というような言い方では否定的に捉えられるだろうが、それはまた別の話だ
初代のアニメとの融合はあの時代、あの黄金のスタッフ&キャストでしか成しえないもので、今作と比べるものではないのだろう
そしてここでもまたヒットの法則その2が差し込まれる
カーチェイスだ
ここは可もなく不可もなく
一気に飛んで
「Trip a Little Light Fantastic」
リン=マニュエル・ミランダが歌って踊るんだからそりゃいいわ、最高
そしてここが一番誰かに話したかった点
という話
「シェリーボビンズがやって来た⁉︎」という話があることを説明しておこう
あのシンプソンズ家を何とかしよう頑なにメリー・ポピンズではない、聞き間違いだと主張するシェリー・ボビンズが現れるが、結局はお手上げで家から去っていくシーン
みんなが「さよならシェリー・ボビンズ」と別れを告げる中
通りがかった酔っ払いのアル中バーニーが「あばよスーパーマン」と言い
彼女が空へ上がっていくと飛行機のジェットエンジンに巻き込まれて一瞬でひき肉になってしまう(本当にひどい)
このバーニーの「スーパーマン」という発言がある意味、真実になってしまうのだ
そう、ジャック達街灯夫が命がけで梯子をかけながらビックベンへ上った努力をすべて無にして空へ飛び、時計の針を戻すことで物語上の時間を巻き戻すことに成功している
そうリチャード・ドナー版スーパーマン2でヒロインを殺されたスーパーマンが地球の自転と逆方向へ飛ぶことで時間を巻き戻すあの伝説的なインチキを彼女はフワッと、めんどくさげにやってのけたのだ
まーたシンプソンズが予言を的中しやがったぜ!!
本編に戻って
最後にあのバートとミスター・ドース・シニアの二役を演じたディック・ヴァン・ダイクがミスター・ドース・ジュニア役として、それもCGかと目を疑うようなステップを軽やかに、実際に踊ってみせ
ここで2ペンスの話が出てくることで、正直号泣してしまいました
これはずるい、誰だって泣く
そこで捻った解釈のひとつとして提示したいのは
あの2ペンスが投資によって莫大な金になり借金を返せるというオチ
しかし時代は1935年、至る所で銀行は閉鎖し金があるとは考えにくい
そこでドース・ジュニアは顧客の信用を裏切った償いと、父を笑いの中見送らせてくれたこと、そして個人的な信頼関係から、借金を免除してくれたのではないだろうか
だからこそ喜ぶバンクス家族を見たドースはわざわざなにもない左を見てから、右にいるメリー・ポピンズを見て互いに笑っているのではないだろうか
もしこれが意図したものであれば、なんて大人な、そしてそれをオリジナルの役者であるディック・ヴァン・ダイクに花を持たせているのならば
なんて夢のある映画なのだろう
とりあえず役者はみんな良かったし、曲もよかった
おおむね満足!
目に見えて悪い点は後日書きます
スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!