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ついに最終局面「進撃の巨人」 テーマから見る最終予想

※最新133話までのネタバレを多分に含みます

 

 

コロナがなくとも確実に今年中に終わらない「進撃の巨人

 

ヒストリアを除くすべての主要キャラクターがスラトア要塞という一点に向かい、後は一直線に進むだけという状況。

 

そこで”現在予測可能な情報”を書いていく。

 

 

エレンの本心

まず131話で判明したエレンのエゴと根源的な欲求である「外の(醜い)世界を壊したかった」という事実。

 

もちろんそれはエレン本人が心から思ったことであるには違いないが、それを行動に移し無垢の人々を踏み殺してでも行うのは明らかに始祖ユミル、および巨人そのものによって増長され”操られている”

 

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この造形はわかりやすくそれを示唆しており、エレンの身体を吊り上げる糸は巨人の源であった寄生生物から伸びている。

 

さらに操られているのはエレンだけではなく始祖ユミルも同じ状況であることが133話の目元が暗くなった子供エレンと並ぶことによって絵的な説明がなされている。

 

それはエレンと始祖ユミルには物語を大きく貫くテーマであり問題の共通点の示唆にもなっている。

 

これは「愛が世界を救う」物語

始祖ユミルが最初から最後まで望んでいたことは自由な愛だった

 

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そしてエレンは自分を愛してくれる幼馴染と友達を守るために、愛を切り捨てた。

 

調査兵団メンバーはエレンを愛しているから止めようとし

ファルコはガビを愛しているから戦い

アニもまたアルミンを愛しているから後悔する。

 

つまり今全てが愛のために動き、エレンとユミルという愛を諦めた二人の子供達に愛を伝え、世界滅亡を防ぐという物語。

 

こんな話を例えば映画二時間ほどで言われたところでどうしても薄っぺらに聞こえて魂には何も響かないが

 

連載期間10年以上、劇中経過2000年と社会性やそこに息づく人々を描きこめば

 

「愛が世界を救う」

 

という綺麗ごとなテーマがここまでの説得力を持つに至るというのは非常に面白い。

 

 

 

 

 

もう一つのメインテーマ

 

それは

「生まれてきただけで特別」

 

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しかしこの言葉をエレンだけが”呪い”として使っている。

 

生まれてきたからには自由を求め、その為には涙を流しながらも他者を蹂躙せざるを得ない。

 

そしてその呪いを解くにはミカサの愛が不可欠であり、それに感化された始祖ユミルは気づいていなかった愛に気づくこととなる。

 

 

 

 

親と子

この漫画には多くの親子の確執が描かれる

 

リヴァイとケニー

グリシャとジー

アニと父

 

しかし不自然なものが一つある

 

それは始祖ユミルと三人の娘

 

始祖ユミルは愛を求めながらも、愛を諦めたが故に死を選んだ。

 

しかし

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三人の娘は母の死に泣いている。彼女たちには始祖ユミルに対して愛があった。

 

 

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わざわざ自分が生んだ子を見て呆気にとられるようなコマを描きながらもその瞳や感情を描いていない。

 

これは意図的なものとしか思えない。 

 

そしてこの漫画で多用される視点の置き換えから判明する真実や心理描写の転換方を考えると

 

上記のコマを今度は瞳と表情ありで、娘たちからの愛に気づくという視点を描き直すという転換があるのではないだろうか。

 

そうして三つの壁マリア・ローゼ・シーナは娘たちの愛による人類を守る壁となる

”意味の再定義”を用意していてもおかしくはない。

 

 

ファルコと鳥瞰

マーレ編に入って1pから非常に多様される鳥瞰と鳥そのもの。

 

133話で判明した空を飛ぶことのできる巨人の能力。

 

展開だけを見ると非常に唐突なものだが、ファルコが継承した”顎”の巨人。

 

そしてそれが鳥となって飛ぶ...そう、恐竜から鳥への進化をそのまま描いている。

 

ファルコやガビといった両者の視点を持った次世代の子供たちは進化し、最初は逃げるよう促していたファルコ本人が世界を救うために戦地へ飛んでいく。

 

これまで多用してきた鳥瞰は、いつもの鳥瞰に見せかけてファルコがやってくるというアガる展開にするためのものだった...?

 

 またこれは与太話だが、始祖ユミルに寄生した謎の生物がいた樹木

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周囲の別種の木々に囲まれるようにして生えているが、恐竜から鳥への進化には並行して木々の生存競争というものが密接に関わってくるため

 

もしかすると、この樹木は生存競争に負け、残った一本の大樹が最後の手段として種のように巨人の源を生み出し、それが生物に寄生し徐々に拡大し周囲を絶滅させるもの...

 

つまりは巨人というものは力や血ではなく、生存本能から来る生物種。という物語序盤のような視点の転換がまたもやあるかもしれない....

 

 

最後に

未だにヒストリアの妊娠は偽装なのかどうか判断しかねるが性格上、エレンに恋愛感情を持つ彼女もまたスラトア要塞に向かっていてもおかしくない。

 

イェレナの役割も少し浮いているが、ジークへの愛と考えると、彼女もまたエレンを止めるために加勢することになるのだろうか。

 

また、単行本おまけ漫画であるスクールカーストでも始祖ユミルは救われていないことから、あれは未来の話というわけでもなさそうだが、エレンが見た記憶の断片にはスクールカーストがあったわけで...

ここはあまり深く考えても仕方のないことであろうとスルーするが

 

未だにどうなるかわからないミカサの「いってらっしゃい」

 

巨人を存在ごと駆逐しに行く際のものなのか、であればエレンはなぜ泣いているのか。

 

いくつか予想を立てても、イマイチ説得力に欠ける。

 

もう何十話もクライマックスが続いて、行き着く暇がないのでちょっと疲れてきたものの、しっかりと物語を〆るにはあと10話ぐらい必要そうなので、終わるのは来年の今頃ぐらいの覚悟をしておきます....